心療内科と精神科の違いって?その3

心療内科で5回(現在5回目入院中)、精神科で2回入院した経験から、今回は入院の違いについて記載したいと思います。

心療内科の入院は所謂一般的な入院と一緒です。

  • 経鼻経管栄養導入目的
  • 経鼻経管栄養を止めるための食事摂取トレーニング目的(2回)
  • 体重減少に伴い経鼻経管栄養・全身状態の回復(2回)

上記の目的で5回入院しています(現在、3つ目の理由で5回目入院中です)。いずれも入院期間は2週間程度です。心療内科では、入院中基本的には毎日主治医の先生が病室まで診察に来てくれ、それに加えて週2回程度面談を実施しながら治療をしていく、という感じでした。経鼻経管栄養で体調を整えて日々の診察や面談で心理面も整える、という心身共に回復と調整をしてくれているという感じでした。あくまでも内科なので身体的なアプローチが主体ですが面談も実施して心理面・認知面でのアプローチもしてくれていました。

 

精神科の入院についてですが、私が入院したのは閉鎖病棟でした。(その病院には精神科は急性期の閉鎖病棟(と保護室)しかなく、開放病棟はありませんでした。なので、ここでの内容は閉鎖病棟での話になります。)ご存じの方も多いと思いますが、精神科病棟には持ち込めないものがあります。

代表的なものを挙げると

  • ひも付きの服、紐靴
  • 刃物類(剃刀や爪切りは看護師預かり、看護師監視下で使用可)
  • 鏡・陶器・ハンガー(ハンガーは病棟に用意されていました)
  • 電子機器(スマホは使用制限有り、ゲーム機・タブレット・PCは使用不可)

これ以外にも、綿棒・デンタルフロス・歯間ブラシも看護師預かり・看護師監視下で使用可、ウォークマンやラジオは看護師預かりで使用したいときに出してもらい消灯前に預ける等生活にかなり制限がありました。これだけでも不自由なのに、テレビやラジカセはホール(デイルームのような場所)に1台ずつしかなく、観ていても勝手にチャンネルを変える人やひたすらザッピングをする人がおり、集中してみることが困難な状態でした。(と言ってもみる気力すらないことの方が多かったのですが。)またホールはその時に入院している患者さんの雰囲気にかなり左右され、かなりにぎやかな時もあれば、それぞれが静かに読書や絵を描く等好きなことに取り組んでいる、という時もありました。閉鎖病棟のため、病棟の入り口は施錠されており、窓も開く幅(大体10㎝くらい)が限られており、外気を吸うこともままならないような状態でした。20時~21時のスマホタイムのみ病棟から出ることができましたが、そこも施錠された空間でした。閉鎖病棟だったので収容感と集団生活感はかなり強かったです。これらの傾向は精神科病院では未だによくあることだと思います。開放病棟の場合はもう少し自由が利く環境だと思います。

精神科の先生は病院に出勤していても毎日診察してくれるわけではなく、週に2回程度診察に来てくれる、という感じでした。私の入院していた精神科では、患者一人につき指導医・担当医・研修医がそれぞれ一人ずつ3人医師がチームで診るという体制でした。毎日診察してほしいわけではなかったのですが、先生といつ話せるのかわからない状態というのは結構ストレスでした。

精神科では摂食障害の治療というよりも、親子関係や環境改善のために愛着の問題について解消を図り、また、退院後の環境調整をするために入院していました。外来通院ではしっかり時間をとって両親と話ができないため、逆に入院であれば面談の時間を確保することができるため入院していました。私に対して、直接的な治療はもちろんですが、退院後の環境調整の方に重きを置いた治療がメインでした。2回目の入院では摂食障害(主に過食嘔吐への依存と体重増量)の治療がメインのはずでしたが、いろいろとハプニングが連続して適応障害を発症したため、急いで環境調整を行って退院することになりました。

 

心療内科は主に内科的な治療をメインに据えて、心理面の治療も並行して行っていくという感じ。あくまでも本人への治療です。精神科は精神状態の治療はもちろんですが、退院後の環境調整(家族等のサポート体制)を行うところが心療内科との大きな違いだと思います。退院後も同じ環境であれば結局は元の木阿弥、ということになるので、この環境調節は精神科治療においては重要だと思います。

以上が入院治療の違いでした。

また心療内科と精神科の違いを感じたら記事にしたいと思います。